「最近眠りが浅いみたいで…よく夢を見るんです…」
お客様からこのようなご相談をいただくことがよくありますが、夢を見たからといって熟睡できていない訳ではありませんのでご安心ください。
ぐっすり眠っていても、私たちは毎晩夢を見ています。
目覚めたときに夢を見たと自覚しない場合、それは夢を見ていないのではなく、見た夢を覚えていないだけなのです。
夢を見ているレム睡眠
睡眠の大きな役割のひとつは脳の休息で、睡眠の約75%を占めるノンレム睡眠中の脳は完全に休んだ状態になりますが、レム睡眠中の脳は眠りながら活発に動いています。
昼間に体験した出来事や学習・勉強したこと、怖かったことや嬉しかったことなど、脳は起きている間に蓄えられた大量の情報をレム睡眠中に整理して、必要な情報を記憶として脳に焼き付けたり、記憶を引き出すための索引を作ったり、必要のない情報を消去したりしています。
このように脳は毎晩眠りながら大量の情報をレム睡眠中に整理・整頓しているのですが、このレム睡眠中に私たちは盛んに夢を見ています。
楽しい夢や怖い夢、現実には起こり得ないような奇想天外な夢などを見るのは、脳が一日に蓄えられた大量の情報を短時間で整理しているためだと言われています。
見た夢を覚えているか覚えていないかの違い
脳の中では記憶の整理が毎晩必ず行われているため、目が覚めた時に夢を見たと自覚していなくても、それは夢を見なかったのではなく見た夢を覚えていないだけなのです。
見た夢を覚えているかどうかは、目が覚めたタイミングと大きく関係しています。
ある実験では、脳が記憶の整理を行っているレム睡眠中に起こされた人の約80%は「夢を見ていた」と認識し、ノンレム睡眠中に起こされた人と比べて非常に高い数字になっています。
レム睡眠中は、レム睡眠の最大の特徴でもある急速眼球運動がほとんど見られない時期と頻発する時期がありますが、特に急速眼球運動が頻発しているタイミングで起こされた人は「夢を見ていた」と認識する確率が非常に高くなり、同時に夢の内容をはっきりと覚えているという結果も出ています。
私たちはノンレム睡眠中にも夢を見ていますが、ノンレム睡眠中に見る夢のほとんどはストーリー性がなく映像を伴わない夢、断片的で思考的な夢だと言われています。

日本睡眠改善協議会公認
睡眠改善インストラクター
市田商店店長 斎藤拓也
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