睡眠は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の異なった2つの睡眠状態で成り立っており、ノンレム睡眠とレム睡眠は一晩のうちに交互に繰り返して現れます。
睡眠は浅い眠りであるノンレム睡眠ステージ1から始まり、ステージ2→3を経た後に最も深い眠りであるステージ4を迎え、その後はステージ3→2→1を辿って浅い眠りに戻り、その後にレム睡眠を迎えます。
このノンレム睡眠とレム睡眠の一連のサイクルは「睡眠周期」または「スリープサイクル」と呼ばれ、1回の睡眠周期の長さは約90分となります。
よく「睡眠時間は90分の倍数が良い」と言われるのはこのためですが、睡眠周期には80~110分程度の間で個人差があるため、睡眠時間を90分の倍数にこだわる必要はありません。
睡眠周期は一晩に4~5回繰り返されますが、睡眠の前半と後半ではノンレム睡眠とレム睡眠の出現率と継続時間が異なります。
深い眠りのノンレム睡眠ステージ3・4は睡眠の前半に集中して現れ、一晩分の80~90%が寝付いてから最初の約3時間(第1・2睡眠周期)に現れます。
一方で睡眠の後半では浅い眠りのノンレム睡眠ステージ1・2とレム睡眠が多く現れ、特にレム睡眠は明け方から早朝にかけて最も多く現れます。
それぞれの睡眠状態が一晩のうちに占める割合は、成人の場合でノンレム睡眠ステージ1が約5%、ステージ2が約50%、ステージ3・4が約20%、レム睡眠が約25%になります。
深い睡眠状態であるノンレム睡眠ステージ3・4(徐波睡眠)は一晩でも意外に短い時間しか現れません。

日本睡眠改善協議会公認
睡眠改善インストラクター
市田商店店長 斎藤拓也
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