私たちの体の中では様々なホルモンが分泌されています。
ホルモンは私たちが健康に過ごすための大切な役割を担っていますが、中には快適に眠るために分泌されるホルモンもあります。
それが睡眠ホルモンとも呼ばれている「メラトニン」です。
睡眠は「生体リズムに支配されたリズム現象」と言われていますが、メラトニンはその生体リズムを整える重要な役割を担っており、深部体温や脈拍、血圧を低下させて体の眠る準備を整える働きがあります。
メラトニンが「睡眠ホルモン」と呼ばれるのはそのためです。
メラトニンの分泌は生体リズム(いわゆる体内時計)に依存しているため、昼間は分泌が抑えられ夜間に多く分泌されるという規則正しいリズムを持っています。
メラトニンは太陽の光を浴びると分泌が抑制され、その14~16時間後に再び分泌が始まり、徐々に分泌量を増加させて深部体温が最も低くなる時間の1時間ほど前(深夜3時ごろ)に分泌のピークを迎えます。
このように本来は生体リズムによって規則正しく分泌されるメラトニンですが、夜間に明るい光が目に入ると分泌のリズムが狂わされて分泌が抑制されてしまいます。
お休みの前にスマートフォンやパソコンの画面を見ていると、画面から発せられる寒色系の光(ブルーライト)によってメラトニンの分泌が抑制されてしまい、睡眠を阻害する原因となってしまいます。
また年齢を重ねることによってもメラトニンの分泌量は減少します。
高齢の方が朝早く目覚めたり夜中に何度も目が覚めてしまうのは、メラトニンの分泌量が減少することによって睡眠が全体的に浅くなってしまうことが原因のひとつとして挙げられます。
メラトニンは睡眠を促進させる作用の他に抗腫瘍作用、抗酸化作用、免疫増強作用なども併せ持っており、最近では不眠症(睡眠障害)の治療だけでなく不妊症の治療などにも利用されています。
日本睡眠改善協議会公認
睡眠改善インストラクター
市田商店店長 斎藤拓也