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眠りながら動き回ってしまう「睡眠時随伴症(パラソムニア)」

睡眠障害のひとつに「睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)」という疾患があります。

別名「パラソムニア」とも呼ばれる睡眠時随伴症は、眠っている最中に起き上がって歩き回ったり、突然大声で泣き叫んだり、叫びながら暴れまわったりといった睡眠中の異常行動を伴う疾患です。

睡眠時随伴症は10歳未満の子供と50代以上の中年期~老年期に発症しやすく、子供に発症しやすい「夢遊病」と「夜驚症」、中年期~老年期に発症しやすい「レム睡眠行動障害」の3つが睡眠時随伴症の代表的な症状として挙げられます。

これらの睡眠時随伴症それぞれの症状について詳しくご紹介します。

10歳未満の子供に発症しやすい「夢遊病」と「夜驚症」

夢遊病(睡眠時遊行症・夢中遊行症)

夢遊病(むゆうびょう)は10歳未満の子供に多く見られる睡眠障害です。

夢遊病は「脳は眠っているのに体が動いてしまう」という症状で、専門的には「睡眠時遊行症」または「夢中遊行症」と呼ばれています。

症状の度合いには個人差があり、ベッドの周りを歩き回るだけの場合もあれば、着替えをしたり、家の外に出ようとしたりなど複雑な行動をとる場合もあります。

「夢を見ている時に、その夢の内容通りに体が動くのが夢遊病」とイメージされる方も少なくないと思いますが、これは誤りで、夢遊病で動きまわっている時に本人は夢を見ていません。

夢遊病は夢を見やすいレム睡眠中ではなく、ノンレム睡眠の深い睡眠状態の時、特に眠り始めてから最初の3時間に多く発生することが分かっています。

夢遊病で動き回っている時は、脳は眠っているにも関わらず目は開いており、また話しかけられるとある程度の反応も見られますが、本人にはその間の記憶が一切ありません。

放っておいてもほとんどの場合は15~30分ほどで自力でベッドに戻り正常な睡眠に戻りますが、子供の場合は同時に「夜驚症」を伴う場合が多く見られます。

夢遊病は成長とともに自然に症状が現れなくなるため一般的には治療の必要が無いと考えられていますが、成人後も症状が続く場合や成人後に症状が現れた場合は治療が必要になる場合があります。

夜驚症(睡眠時驚愕症)

夜驚症(やきょうしょう)も10歳未満の子供に多く見られる睡眠障害です。

夜驚症は「夜中に眠りながら泣き叫ぶ」という症状で、専門的には「睡眠時驚愕症」と呼ばれています。

夜驚症も夢遊病と同様に、夢を見やすいレム睡眠中ではなくノンレム睡眠の深い睡眠状態の時、特に眠り始めてから最初の3時間に多く発生することが分かっています。

症状が似ているために「夜泣き」と混同されがちな夜驚症ですが、夜泣きは浅い睡眠状態の時に目を覚まして泣き出すため、体や頭を撫でたり話しかけたりすることで泣き止む場合がありますが、夜驚症で泣いている子供は深い睡眠状態にあるため体や頭を撫でたり話しかけたりしても本人には届かず、症状が治まるまで見守るしかない点が夜泣きとの最も大きな違いです。

夜驚症の症状は数十秒から数分で治まることが多く、その後は何事も無かったかのように正常な睡眠に戻ります。

夜驚症の原因は明らかになっていませんが、成長とともに自然に症状が現れなくなることから、脳が発達途中であることが夜驚症に関係していると考えられています。

また過去に受けた恐怖体験やストレスが夜驚症に関係しているとも考えられています。

50代以上の中年期~老年期に発症しやすい「レム睡眠行動障害」

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レム睡眠行動障害

レム睡眠行動障害は50代以上の中年期~老年期に多く見られる睡眠障害です。

レム睡眠行動障害は「眠っているのに動き回ったり、大声で叫んだり暴れまわったりする」という夢遊病とよく似た症状ですが、そのメカニズムは夢遊病と大きく異なります。

ノンレム睡眠中に症状が現れる夢遊病は異常行動中に夢を見ていませんが、レム睡眠行動障害はその名の通りレム睡眠中に症状が現れ、実際に夢を見ながら夢の内容に沿った異常行動を伴い、目が覚めた後も夢の内容を覚えている場合が多く見られます。

レム睡眠行動障害の時に見ている夢は恐怖や怒りの感情を伴うものが多く、そのため大声で叫んだり殴る蹴るといった暴力的な行動をとると考えられています。

成長とともに自然と症状が現れなくなる夢遊病や夜驚症とは異なり、レム睡眠行動障害は年齢と共に発症率が高くなり、また異常行動によって本人や一緒に寝ている人が怪我をする場合が多いことから、睡眠時随伴症では特に注意が必要な症状です。

レム睡眠行動障害の疑いがある場合は、症状の大小を問わず早めに専門の医療機関を受診するようにしましょう。

睡眠改善インストラクター 市田商店 店長 斎藤拓也

日本睡眠改善協議会公認
睡眠改善インストラクター
市田商店店長 斎藤拓也

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