「寝ようと思っても、目が冴えてなかなか寝付けない…」
「ちゃんと寝たはずなのに、ぐっすり眠れた気がしない…」
そんなお悩みをお持ちの方は、寝る前の過ごし方に問題があるのかもしれません。
寝る前の過ごし方は、眠りの質に大きな影響を与えます。
今回は、ぐっすり眠るために取り入れたい「寝る前の習慣」をご紹介します。
1.ぬるめのお湯でゆっくり入浴

睡眠は体の深部体温(脳や内臓の体温)の変化と深く関係しています。
深部体温は日中に高くなり夜になると低くなるというサイクルを繰り返しており、深部体温が低くなることで私たちは快適な睡眠を得られています。
お休みの前に入浴で身体の芯を温めることによって、手足など末端の血管が拡張されて血流が良くなり、深部体温を下げるための放熱が効果的に行われるようになります。
また人は上がった深部体温が下がる時に眠気を感じるため、お休み前の入浴で深部体温を意図的に上げておけば、お休みのタイミングで深部体温が下がりスムーズな入眠が得られやすくなります。
高くなった深部体温を低下させるためにはある程度の時間がかかるため、入浴はお休みの2時間前までには済ませるようにしましょう。
お風呂の温度が高すぎると交感神経が優位になって目が冴えてしまいますので、ぐっすり眠るためには38℃~40℃程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かる入浴が良いでしょう。
2.暗めの照明でリラックス

お部屋の照明が明るすぎたり、お休みの直前までテレビやパソコン、スマートフォンなどの画面を見ていると、快適な睡眠が得られにくくなってしまいます。
照明や液晶画面から発せられる寒色系の光(ブルーライト)が目に入ると、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されてしまうためです。
入浴してから寝るまでの時間は、間接照明などの明るすぎない照明を利用して、できるだけリラックスして過ごすことを心がけましょう。
テレビやパソコン、スマートフォンもできるだけ早めに切り上げて、明るい寒色系の光ができるだけ目に入らないように心がけましょう。
3.ホットミルクやハーブティーで水分補給

睡眠中はコップ1~2杯の汗をかくため、体内の水分が失われやすくなります。
寝る前のリラックスタイムに、軽く飲み物をいただいて水分を補給しておきましょう。
ただしコーヒーや紅茶、緑茶、烏龍茶などのカフェインが含まれる飲み物は、カフェインの覚醒作用や利尿作用が快適な睡眠を阻害してしまいます。
またお休み前のアルコールも快適な睡眠には良くありません。
アルコールを摂取すると寝つきは良くなりますが、眠り自体が全体的に浅くなってしまい、睡眠の質が大きく低下してしまいます。
また冷たい飲み物は交感神経を刺激してしまうため、寝つきが悪くなる場合があります。
寝る前のお飲み物は、常温の水や白湯、ホットミルクやハーブティーなどがおすすめです。
ホットミルクには眠りとも深い関係がある脳内物質「セロトニン」の原料となる「トリプトファン」も含まれていますので特におすすめです。
4.お休み前の「入眠儀式」で眠りのスイッチをON

毎晩、寝る前に必ず行う習慣はありますか?
歯を磨いたり、パジャマに着替えたり、ストレッチ体操をしたり、寝る直前に毎晩当たり前のように何かを習慣にしている方も多いと思います。
こういった寝る前に必ず行っている行為を「入眠儀式」と呼びます。
入眠儀式を行うことで、脳が「今から寝るんだな」と自然に「睡眠モード」に切り替わり、寝つきが良くなると言われています。
お休みの前にホットミルクやハーブティーを飲んだり、お気に入りのアロマの香りを楽しむことも立派な入眠儀式になります。
特にパジャマに着替える習慣は、入眠儀式としての作用だけでなく、眠りを妨げにくくなる効果も期待できるのでぜひ取り入れてください。
5.アロマの香りでスムーズな入眠

香りには心と体に大きな作用をもたらす働きがあり、心地よい香りは自律神経の働きを整え、快適な睡眠のために大切な心と体のリラックスを促してくれます。
お休み前のリラックスタイムにアロマの香りを楽しんだり、枕や布団をアロマで香りづけることで、寝つきが良くなったり睡眠全体の質が良くなったりする場合があります。
アロマの香りには様々な種類があり、それぞれの香りは心と体に働きかける様々な作用を持っています(天然香料のエッセンシャルオイルに限ります)。
香りの種類や作用に関係なく、ご自身が「心地よい」と感じる香りがぐっすり眠るためのアロマとしてはおすすめです。
寝る前の過ごし方を見直すだけで、今までよりずっと良く眠れるようになるかもしれません。
ぐっすり快適に眠るための習慣を、ぜひ取り入れてみてください。

日本睡眠改善協議会公認
睡眠改善インストラクター
市田商店店長 斎藤拓也
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