私たちの体の中では様々なホルモンが分泌されていますが、ホルモンの中には睡眠中にしか分泌されないものもあります。
その代表格が、私たちが健康的で美しく暮らすために欠かせない「成長ホルモン」です。
体のさまざまな機能をコントロールしている成長ホルモンは、健康と美容を維持するための大切な役割を数多く担っており、その分泌量は睡眠の良し悪しによって大きく左右されます。
成長ホルモンの役割
成長ホルモンと聞くと「子供に必要なホルモン」という印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、成長ホルモンは成人や高齢の方にとっても必要不可欠なホルモンです。
成長ホルモンは筋肉や骨を成長させるだけでなく、起きている間に壊れた細胞の修復や疲労の回復などの重要な役割を数多く担っています。
糖の代謝を促してエネルギーを生み出したり、タンパク質の代謝を促して筋肉量を増やしたり、脂質代謝を促して体脂肪の分解を助けたり、コレステロール値を減らしたり…
その働きは数え上げるとキリがありません。
そして忘れてはいけない成長ホルモンの重要な役割、それが女性には見逃せない「美容」への作用です。
キレイをつくる成長ホルモン
成長ホルモンが美容に働きかける代表的な作用は、肌細胞のターンオーバー促進と皮下細胞の水分保持、そして脂肪の分解が挙げられます。
成長ホルモンは睡眠中に傷ついた肌細胞を再生して肌のターンオーバーを促し、皮下組織の線維芽細胞を活性化させて肌の潤いと弾力を生むヒアルロン酸を生成します。
成長ホルモンの分泌が滞ると細胞の再生が遅れて肌のハリが失われたり、水分量が減って肌がカサついたりしてしまうだけでなく、体脂肪の分解が遅れて肥満の原因になってしまいます。
快適な睡眠こそが「最高のエステティック」なのかもしれませんね。
よく「夜10時から深夜2時までは成長ホルモンが多く分泌される睡眠のゴールデンタイム」という話を耳にしますが、残念ながらこの情報は正しくありません。

日本睡眠改善協議会公認
睡眠改善インストラクター
市田商店店長 斎藤拓也
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