腸内環境が睡眠の質に大きな影響を与えていること、ご存知ですか?
睡眠の質を良くする方法は様々ありますが、腸内環境を整えることで睡眠の質が良くなる場合があります。
睡眠の質は体内で生成されるホルモン「メラトニン」の影響を大きく受けているのですが、そのホルモンを生成するための材料が腸の中で作られているためです。
今回は、睡眠の質にも大きな影響を与える腸内環境と睡眠の関係性をご紹介します。
睡眠の質を左右するホルモン「メラトニン」
睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」は脳内で分泌されるホルモンのひとつで、朝起きた時に朝陽を浴びると分泌が抑えら、その14~16時間後に再び分泌が始り、分泌量が多くなることで眠気を感じさせるという睡眠リズムを整える役割を果たしています。
メラトニンは抗酸化作用が高いことから別名「若返りホルモン」とも呼ばれ、寝ている間にその人をキレイにする効果もあるといわれています。
メラトニンは脳内物質である「セロトニン」を材料にして生成されるのですが、そのセロトニンは必須アミノ酸である「トリプトファン」を材料にして生成されます。
食事(主に肉や魚など)からトリプトファンを体内に摂り込むと、トリプトファンは腸内でビタミンの作用を得てセロトニンとなり、そのセロトニンをもとにしてメラトニンが生成されるのです。
トリプトファンをより効率よくセロトニンに変化させるためには少しでも多くビタミンを摂取することが効果的ですが、ビタミンを多く含む野菜や果物、またはサプリメントをいくら多く口にしても腸内環境の状態が悪ければビタミンの吸収量が著しく減ってしまうため、トリプトファンを効率よくセロトニンに変化させることができなくなってしまいます。
つまり睡眠の質を左右するメラトニンをたくさん生成するためには体内のトリプトファンを効率よくセロトニンに変える必要があり、そのためには整った腸内環境が欠かせないのです。
メラトニンの生成に欠かせない「腸内フローラ」

睡眠ホルモン「メラトニン」を効率よくたくさん生成するためには腸内環境が良好であることが重要になりますが、その環境の良し悪しを左右するのが「腸内フローラ」と呼ばれる腸内細菌です。
腸内フローラとは?
「腸内フローラ」とは腸の中に住む細菌で、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)とも呼ばれています。
私たちの腸の中には100種類以上、100兆個以上もの腸内細菌が生息していると言われています。
腸内細菌の中には「善玉菌」と「悪玉菌」があり、その他にも場合によって体に良い影響を与えたり毒性を強めたりする「日和見菌」というものがあります。
これらの多種多様な腸内細菌たちは腸内でそれぞれの勢力ごとに仲間たちでコロニー(細胞の塊)を形成しているのですが、その姿を顕微鏡で覗くとまるでお花畑のように美しいことから「腸内フローラ」と呼ばれています。
この腸内フローラの状態が整っているほど腸内環境が良いと言われていますが、腸内フローラの状態を整えるために大切なことが「バランスの良い食事」です。
食物繊維、発酵食品、そしてオリゴ糖、この3つの食材や栄養素をバランス良く摂ることで腸内フローラを改善し、質の良い睡眠を手に入れましょう。

日本睡眠改善協議会公認
睡眠改善インストラクター
市田商店店長 斎藤拓也
関連記事

